フランスで一番危険な道

シャトーブリアンからシャモニーまでは約850km、最短で8時間の旅。

マニュアル車なので運転は彼一人。
今回は猫も同乗という事もあり、2時間に一度くらいの間隔で休憩を取りながらゆっくりゆっくり進んでいったので明け方に出発して到着したのは午後5時過ぎ。

既に何度か利用した道、特に大都会の中を走るわけではないのでそう心配はしていなかったのですが、、、。
後から知ったのですが、実は「フランスで一番危険は道」と言われる道路を通っていたのですね。


私たちは、Angers-Tours-Bourgesを通りこの地図中央にあるMoulins手前からRCEA(Route Centre Europe-Atlantique :地図上青く塗られている道路)に入ってきました。


このRCEA,青く塗り潰されている部分は高速道路、破線部分は対面走行の国道となっています。


そしてこのMoulins手前から続く国道部分がどうやら「死の道」と言われているらしいのです。

後日、たまたま見ていたテレビの番組で取り上げられていて知ったのですけれども。

この道路上での重大事故の発生率は同じ対面走行型道路の2倍以上との事。

その理由はまず第一にその名前の通り中央ヨーロッパと大西洋岸を結ぶルート(ボルドー、ナントからアルザス、ローヌ・アルプ地方さらにはイタリアまでを結ぶ東西横断道路)であるということ。
そして多くの大型トラックを含む商業車、そしてヴァカンス客がこのフランスを横断するルートを「無料である」という理由で利用しています。

またその流動性(交通信号、交差点等の無い、中央山塊の曲線と斜面を避けるルート)からさらなる利用者も増え、その数は15000台/日以上。



そんな「死の道」で最も多いのが軽自動車とトラックとの正面衝突事故。
トラックの列に入ってしまった軽自動車。速度がぐっと落ち、さらには視界が妨げられる事でイライラは増し、少ないチャンスを見計らって追い越しをかけようとする所で事故が起こってしまう。

または、長距離運転で疲れの出たトラック運転者の中央車線はみ出しからの事故、、、であったり。

 


30年も前から片道二車線道路にする計画が上がっているそうなのですが、なかなか進まず、その間にも多くの犠牲者を出してしまっています。

2005年から2009年の5年間で151件もの交通事故(そのうち重大な事故は134件)が起こり、69名の方が亡くなっています。この数字は古い物ではありますが、近年ではさらに悪化の傾向にあるそうです。


そんな恐ろしい道を走っていたのですね。
確かに運転手の彼は、対面走行な上、道幅が狭く、とにかくまっすぐな道なので眠くなりやすく嫌な道だと言っていましたが。

無事にシャモニーに着けて良かったです。


ちなみに猫ちゃんはこの長い行程の間一度もトイレをせず、せまいケースの中で不満を訴える事もなく頑張ってくれました。