Création d'entreprise La Journée d'information  起業の為の説明会

実は2年ほど前から折り紙を使ったアクセリー( 今のところイヤリングのみ )を趣味で作っています。

 

自分で何かを作ってみたいと思っていた矢先、たまたまインターネット上で「折り紙を使ったハンドメイドアクセサリーの研修生募集」という書き込みを見たのがきっかけ。

折り紙なら小さな頃から親しんでいて本でも見れば誰に教わるでもなくできるのではないか、と。


フランス語版の「折り紙で作るアクセサリー」という参考本を見つけたので早速購入。

必要な備品や工具も近くの雑貨屋で揃え、いざ。

 

何度か失敗を重ねるうちに要領を得、少しずつ形になってきました。

今の所は知人にプレゼントしたりしているだけなのですが、色々な人から「これは絶対に売れるよ。趣味でやっているだけだなんて勿体無い」と言われ続けていたので、この度「起業の為の説明会」というものを受けてきました。

La journée d'information 『起業の為の説明会』

 

主催   : CHAMBRE DE METIERS ET DE L'ARTISANAT(手工業・工芸会議所)

開催場所 : Annecy アヌシー(Haute-savoie県在住の者)

開催日  : 毎月曜日 8時30分~12時、14時~17時

参加費  : 無料

         事前登録 : 必要なし   

 

《 研修内容 》

 ・ 会議所の役目

 ・ 手工業、工芸と商工業

 ・ 起業のノウハウ

 ・ 起業のリスク

 ・ 市場調査

 ・ 起業計画資金の調査

 ・ 必要な法律上の手続き

 ・ 税制度の基礎知識


以上の事を午前、午後を通してざっと説明されます。


事前の登録の必要は無いのですが、午前、午後共に出席を取られ、最後まで説明会に参加していた者が次の段階、Le Stage de Préparation à l'Installation ( S.P.I. ) 起業スタートアップ研修に登録する資格を得られるようになっています。

2009年の世界的不況の中で沸き起こった起業ブーム。

今日でも相変わらずの失業者数、増加一方の税金、、、等々でそのブームは収束する気配はないようです。



「起業の実態」が2010年4月1日付けニュースダイジェストの記事で良く説明されていましたので、引用させていただきます。



起業ブームの背景 → 2009年1月に施行された「 個人事業主制度(auto-entrepreneur)」による起業者数の増加。



「 個人事業主制度 」


 ・ 個人企業の形態のひとつ。

 ・ 手続きが簡単な上、職の有無を問わない(事業内容により、自宅からインターネットで手続きを済ますことも可能)。

 ・ 支払う社会保障費が収入の額によって決まり、最低支払額がない。

   =売り上げが無ければ税が免除される為リスクが最小限に抑えられる。

   (売上額については、毎月、または3カ月毎に売上額を申告する必要あり。)

 ・ 一種の地方税である地域経済拠出金の支払いが3年間免除されるほか、付加価値税(TVA)の徴収も免除される。

 ・ 外国人であってもフランスでの滞在許可がある人であれば、ビザの種類は問わず登録できる。


ただし、年間売上額の上限が職種によって32,900€(サービス業)から82,200€(小売業)と設定されており、あくまでも小規模なビジネス向き。



* フランスで最も多用されている起業形態 : 株式会社(SA)/ 単純型株式資本会社(SAS)/ 有限会社(SARL)


  ① 単純型株式資本会社と有限会社 

     出資者が1名からでも可能な点、最低資本金の定めがない点などが株式会社と大きく異なる。

     まずは小さく事業を始めたい人に向いている。


  ② 株式会社

     7名以上の出資者が必要。

     株式の公開発行や社債公募を行うことができるという利点があるため、事業を拡大し、多額の運転資金を

     必要となる場合などに向いている。



手軽さに惹かれて起業する人が多い ため、個人が自宅でできるサービス業、 業務サービスやコンサルティング、あるいは小売業が多い。

  例 : サービス業 → 園芸、家事支援 に関するものなど

      小売業   → インターネットを活用した通信販売など

  なお、建設業などはサービス兼小売業に入ってくる。


個人事業主の65%は 男性で、女性は35%。

  男性は小売、建設、業務支援などで起業するケ ースが多く、女性は業務支援、小 売、サービス業などが多い。


起業する人の平均年齢は39歳。

  年齢内訳では30~ 39歳が29%で最も多いなど、いわゆる働き盛りの人の起業が盛ん。

  60歳以上 の人々も積極的に起業しているが、特に教師・福祉職・看護師などの専門職にあった人がそれぞれの専門分野

  起業するなどの例が目立つ。


個人事業主制度が、定職に就いている人のサ イドビジネスや、定年退職者の年金外の収入になり得るために、起業の道を選んだ人が少なくないということが 分かる。 



政府の目的

 

 ①  特技を活かした事業を振興することで失業者数を減らすこと。

 ②  サイドビジネスや事業の創造によって経済活性化を図ること。

 ③  インターネット通販などにおいて頻発していた小規模な不正取引を減らし、その分の徴税を確実にすること。


ただ、以下の様な問題のケースもあり。

企業が社会保険料などの負担を軽減するために、社員として雇う代わりに個人事業主として起業させ、その後業務契約を締結する。

  彼らは実際には社員と同じような仕事をしているにもかかわらず、正社員としての権利を持つことができない。

  個人事業主が不法労働者だとしても、正社員ではないため、業務契約を交わした企業に法的責任を問うことができない。



注意点


 ① 税制の面で売上高が最高額を超えたり、また逆に2年間以上売上がなかった場合には、個人事業主制度とは違う形態

   に移行しなければならず、最低支払額を含めた税金負担が増加することになる。

 ② 登録してから3年が経つと、地域経済拠出金の免除がなくなり、売上高と関係なく年間200~2000ユーロ程度

   の支払いが 発生する。

   (個人事業主制度自体に、事業家としての訓練を積ませてやがて本格的 な事業に発展させることを促す面がある為)

 ③ 個人事業主制度による社会保障・税金負担額が表面上は軽く見えるが、利益ではなく、売上高が課税されることから、

   負担は実際に軽いかどうかはケースバイケースであると考えられる。

Le Stage de Préparation à l’Installation - S.P.I.

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スタートアップ研修


連続した5日間で起業に必要な以下の様な基本的情報を得た後、起業手続きを行う事を目的とする。

講師との、そして融資先にもなり得る銀行関係者との個人面談も受けられる。


開催場所   : 1~3日目 Thyes 、4,5日目 Annecy

開催日、時間 : 登録制で月曜~金曜日までの連続した1週間 9時~12時15分、13時45分~17時

参加費    : 220€(2人の場合は330€)


説明会参加終了直後からスタートアップ研修への登録が可能。

参加費はカード、小切手、現金等で事前払い(但し、決済はスタートアップ研修開始時、キャンセルは研修開始5日前まで可能)。


≪ 研修内容 ≫

 ① ビジネスプランを練る(これがその後の資金確保や取引先を見つける際の糧となる)。

 ② 必要資金の確保。

    自己資金で間に合わなければ、公的融資や、ベンチャー・キャピタル、ビジネス・エンジェルなどからの

    投融資の可能性を探る。

 ③ 会社設立手続:会社本拠地の確保、定款など規則の作成、商号・代表者の選定、会計監査人の選任、資本金の設定。

 ④ 本社所在地の税務署への定款登記、設立通知の法定公告掲載紙へ公示、商業登記をする。


   一般的に起業の手続の審査に掛かる時間は、すべての書類がそろい申請後、1週間から3週間程度。


手工業・工芸分野での個人事業を目指す者は必ずこの研修を受けなければいけないとの事。

昨年まではこの「義務」は無かったのですが、今年からの法律改定。

他企業主からのやっかみもあるかとは思いますが、まだまだ続く起業ブーム、何かしらの形で政府収入を補おうとする意図が見え見え。


面倒くさい④の手続きはこの研修に参加さえすれば会議所が責任を持ってしてくれるのがこの研修の利点の一つですが(以前は自分で全てやらなければいけなかった)、それら登記料にもさらに240~300€を支払わなければいけません。

よってトータルで6日間の拘束と500€近くの出費、さらに研修参加に伴う交通費などももちろん生じてくるので安くはありませんよね。

まあこれで法律上問題なく物が売れるようになるのだから良しとしなくてはいけないのでしょうけれども。



私は9月14日(月)からの5日間、研修に参加してきます。

という訳で、販売可能になるのは10月頃から。

もちろんこれは本業ではなく、お小遣い稼ぎ程度になれば、なのですけれども。

ただ、それでもまた色々またやることが増えて来そうです。

ところで、この日は彼が車でアヌシーまで連れて行ってくれたのですが。

説明会が早く終了したので、散策に出掛けていた彼と連絡を取ろうと公衆電話を探したのですが(携帯電話は二人に一つで大抵は彼が持っている)、どこを探しても見当たりません。

以前(っていつの頃だか、、、)はバス停の脇などに良く設置されていたのですけれども。

行政関係の建物に入ってみたものの、数日前に取り外してしまったとの事。

ツーリストインフォメーションに行ってみたら、アヌシー市内には公衆電話はもう一つしか残っていない上、その電話も故障している事しばしばなのだそう。

汗だくで歩き回り、くたびれている姿に同情してくれたのでしょう、デスクの電話を貸してくれました。


それにしても、維持費にもちろん相当のお金がかかるのでしょうけれども、町に数カ所、特に公共施設などには公衆電話は残しておいてもらいたいものです。誰もが携帯電話を持っているわけではないのですから。

確かに以前住んでいたシャトーブリアンも駅前に一つしかありませんでしたっけ。

その点シャモニーはさすがに観光地ですね。駅や郵便局前、エギュイユ・ド・ミディリフト乗り場前などに公衆電話がありますよ。