Le 14 Juillet 2015 à Chamonix シャモニー フランス国民祭

 

7月14日はフランス共和国の成立を祝うフランス国民祭の日。

 

1789年同日に発生しフランス革命の発端となったバスチーユ監獄襲撃および、この事件の一周年を記念して翌年1790年におこなわれた建国記念日が起源となっています。

 

 

 

勇敢なフランスの愛国者がバスティーユを襲って革命家達を開放したという伝説とは異なり、実際には普通の犯罪者を少数(7名)収容していただけのバスティーユ。
衝撃したのは王の軍隊がヴェルサイユからパリに移動してきたというデマに影響され、バスティーユの武器弾薬庫を襲った為だったらしい。
ただ、この事により抑圧された農民を何百人も精神的に物資的に解放したのは事実。

 

バスティーユ襲撃からまもなく(8月26日)採択された「人間と市民の権利宣言(フランス人権宣言)」にはフランス国民一同が誇りを持っています。

7月14日には慣例として各地で消防士、警察、県警達のパレードが行われ、夜には花火が打ち上げられます。


もちろんパリの規模が最大。国の威信がかかっていますので。

午前中にはパリで軍事パレードが開催され、フランス大統領の出席のもとシャンゼリゼ通りからコンコルド広場まで行進。


パレードにはエコール・ポリテクニック、サン・シール陸軍士官学校、フランス海軍兵学校の生徒達から始まり、歩兵部隊、機械化部隊、フランス空軍アクロバット飛行部隊(パトルイユ・ド・フランス)、フランス共和国親衛隊、パリ消防工兵旅団、フランス国家警察、フランス外人部隊などが参加。
近年にはフランスの同盟国の要人を招待する事が慣例となり、昨年2014年には第一次た世界大戦開戦100年を記念して参戦した約80ヶ国の要人が招待されたとの事。


最後の締めくくりはフランス共和国大統領の演説。

各市町村もパリ同様にとはいかないまでも、それぞれにあった規模でこの日をお祝いしています。


シャモニーは何と言っても山岳軍隊学校の生徒や県警スキー・登山部隊、山岳救助隊、共和国機動隊スキー・登山部、国境警備隊の人達や、さらにフランス軍スキーナショナルチームに所属するスキーヤー達が式典(功績によって金・銀・銅の記章を与えられる)やパレードに参加するのが特徴ではないでしょうか。


式典、パレードの後にはナショナルスキーチームのメンバーたちがサイン会を行ってくれたりもします。

 

 

今年はシャモニーは前日の13日に、近隣のレ・ズッシュ、アルジャンティエールは14日に花火が打ち上げられました。

 

レ・ズッシュもアルジャンティエールも「大都市」シャモニーに対抗すべく毎年かなり力を入れているようで、特にレ・ズッシュのそれはかなりの評判。

魔法と魔術をテーマにし物語風に進められる湖上花火。そして民族ダンスにコンサート。毎年多くの観客を集めているそうです。

 

 

それに引き換えシャモニーのそれは、、、。

毎年クライミングワールド・カップの最終日、表彰式後に閉会も兼ねて華々しく打ち上げられていたのですけれども。

今年はシャモニー市単体での打ち上げに。

22時30分開始予定が22時を回って暫くすると既に打ち上げる音が響いてきて。

「えっ、もう打ちあがっている」、、、と不意を突かれた人達が足早に広場に向かって行く姿が見えたのですけれども。
その人達が広場に着くか着かないかのうちに音はすっかり止んでしまい、、、。
結局打ち上げられていたのは5分程度の間。
折角出かけて行っても間に合わずに見れなかった人達が多かったはず。
内容的にも「えっ、これだけ!?」、、、といった物だったらしく。

翌日は職場でも何とも不甲斐ないこのシャモニーでの「国民の日の花火大会」の話でもちきり。
皆口々にがっかりした、と。

話を聞いてみると、実は昨年まではクライミングワールド・カップ主催者側が花火大会の全費用を負担していたらしいのですが、今年はこの主催者側に「あなな達で勝手にやってくれ」と見放されてしまったのだそう。
で、シャモニー市だけの力では「こんな程度」になってしまったみたいですね。


まあ税金を無駄に使われなくって良かったと喜ぶべきなのか(国民行事、フランス人に言ったら怒られるのでしょうけれども)、それともあれだけ取られている税金は、では果たしてどこにいってしまっているのか、、、と疑問に思うべきなのか。