La cueillette des  Myrtilles ビルベリー摘み 

ビルベリーがようやくそこかしこで深い紫の大きな実を付ける様になってきました。

 

以前散策した際にはそれまでの日照時間が少なかったのか、小さな白い実の始まりしか見つけられなかったのですけれども、ここしばらく天気の良い暑い日が続いたので、これは良い感じと行ってみたら、ありました、ありました。

 

きのこと一緒ですね。

始めの一つを見つけるまで大分時間がかかるのですが、一度見つかると、恐らく目がそれ仕様になるのでしょうね、面白いように目に入ってきます。

ところで、フランスでミルティーユと呼ばれるこの果実。

今までブルーベリーと訳してきたのですが、それが実は間違えであった事を知りました。

左が ビルベリー、 右が ブルーベリー。

 

一番の違いはビルベリーは野生種、ブルーベリーは人間の手によって育てられた栽培種がほとんどということ。

果実単体だけではほとんど違いが分からないかと思いますが、実の付き方、木の高さをみれば一目瞭然。

以下参考にしてみて下さい。

 

 

ビルベリー( Vaccinium myrtillus 、フランス語のミルティーユの語源 )

 

 ブルーベリーの原種とも言われる近縁種で酸性度が高く栄養不足の土壌で見られるビルベリー。

 

ビルベリーの特徴 : 房を作らず単一あるいは一対のベリーを付ける。ブルーベリーの果実よりも小さいが味わいがある。

           より暗く、ほとんど黒色に見える紫色。果肉は赤色あるいは紫色で、指や唇に濃い色が付く。

 

           樹高が約30cm。品種は450種類くらいあり、その一部が高山に自生している。故郷はヨーロッパ。         

 

           フランスで野生ミルティーユの収穫量が最も多いのはアルデッシュ県で年間400トン。

           但し、フランス人のミルティーユ消費量は年間2g/人に対してドイツ人は500g/人だそう。

           

 

ブルーベリー( Vaccinium corymbosum、フランス語ではBleuet ブルエと呼ばれる )

 

ブルーベリーの特徴: 房を作る。より常緑葉を有する。

           果肉は薄い緑色。 

 

           樹高は約1.5m。品種はやはり450種類くらい、北アメリカ原産。    

           1934年にヨーロッパ(ドイツ)に入り、1980年代からフランスでは本格的に栽培が始まる。

           市販されているミルティーユの大半はこの品種。




ビルベリーが実をつける頃の北欧は白夜で太陽が沈まない季節。

一日中注がれる太陽の紫外線から実を守る能力を高めるため、青紫色の天然色素アントシアニンをたっぷりと蓄えるのだそう。

ビルベリーには、この“アントシアニン”が一般栽培種のブルーベリーに比べて2~3倍多く含まれています。

現在でもビルベリーは、フランスやイタリアをはじめとする各国で、医薬品としての効果が認められています。
残念ながらブルーベリーは、成分の含有量や効果の違いから、医薬品として認められてはいません。

ミルティーユの収穫時期は基本的には6月から9月。

実が深い紫色になり、指で触った感触が「締まっていながらも軟らかい」くらいになっていたら採り頃。

出来れば午前中の収穫が良いのだそう。


赤い実の果物同様、ミルティーユも収穫した後は出来るだけ早めに食べる方が良いのですが、どうしてもそれが出来ない場合は、プチプチを敷いた容器に入れて(密封せず)冷蔵庫で一週間ほど、洗った後に袋かブルケットに入れて冷凍庫で12ヵ月ほどは保管できるそう。

そのまま食べても美味しいのですが、タルト、クレープ、アイスクリームに利用したり、ジャムを作ったりするのがこちらでは多いかもしれませんね。 


ところで、山岳地帯に住んでいらっしゃる方であればこんな物を一度は目にした事があるのではないでしょうか。


その名も「Peigne ペイニュ(梳き櫛・すきぐし)」。


この櫛の先で下から枝を梳くだけで一度に大量に、しかも手を汚さずにミルティーユを摘める仕組み。
一粒一粒摘む苦労、そして手摘みだとどうしても加減が難しく、実を潰してしまう事が多々ある事を考えるととても便利な道具。

梳いた後、下に溜まったミルティーユの選り分け(熟成度の高すぎる、または低すぎる物や余計な枝葉の排除)も簡単に出来るので時間の短縮には物凄くなります。


但し、その櫛で枝葉を痛めてしまう事からこの利用が禁止されている、或いは制限されている地域もあるので、事前に確認することをお勧めします。

ミルティーユは上から見ていると枝葉に隠れていてなかなか見つかりません。
こんな風に目線を下げてみると、あるある。

今回収穫したミルティーユはジャムに変身。すぐに無くなってしまいましたが、、、。


ちなみに私の職場(菓子製造・販売)では摘んで来たミルティーユを10€/kgで買い取ってくれます。

毎夏、地元民、ヴァカンス客、定年退職された方、ファミリー連れ等色々な方々がミルティーユの入ったバケツを持ってお店を訪れてきます。自然を楽しみながらのお小遣い稼ぎ、機会があればぜひどうぞ。

コメント: 0 (ディスカッションは終了しました。)
    まだコメントはありません。