今回は場所を les Bossons レ・ボッソン に変え、 Cèpes セップ茸を探しに行ってきました。
セップ茸というのは総称で、その中には色々な種類の茸があります。
そのうちの一つにイタリア語名で「ポルチーニ」と呼ばれる茸があると言えば「ああ、あれね」と思われる方もおおいのではないでしょうか。
これがなかなか見つからないのですよね。
土や木の色と同化してしまっている上、枯草の中や溝などに隠れている事が多いので。
年配のchamoniard シャモニーヤー(シャモニー住人)達は所謂「自分の庭(セップ茸の見つかる場所)」というものを持っていて「あんなに採れた、こんなに採れた」と自慢げに話しているのを耳にしたりもするのですけれども。
もちろんその「庭」の場所は教えてくれません。
釣りと一緒ですね。他人に教えたら自分の取り分が無くなってしまうので。
通常のキノコのようなひだ状ではなく目の細いスポンジの様な傘の裏面、一般に太くて丈夫な肉質の柄の質感などによりキノコ狩りの初心者にも比較的識別しやすいこのイグチ科のキノコ。
その多くは食用なのですが、日本以外のイグチ科のきのこによる死亡例や、日本における有毒種ドクヤマドリの存在などを鑑みれば、イグチの仲間だからと言って安易に口に入れることは避けるべきとのこと。
そのイグチ科のキノコの中でも特に知られているのはやはり先程挙げた イタリア語ではポルチーニ、そしてフランスでは Cèpes de Bordeaux セップ・ド・ボルドーと呼ばれるヤマドリタケではないでしょうか。
以下 WIkipedia より。
ヤマドリタケ ( Boletus edulis ) はイグチ目イグチ科ヤマドリタケ属の食用キノコ。
香りが良く、イタリア料理やポーランド料理などヨーロッパで良く使われるが、栽培法が確立しておらず現在も全てが天然物。
( 日本で普通に発生するヤマドリタケモドキと非常に似ており、しばらくは混同されていた。)
日本ではイタリア料理の普及とともにイタリア産が早く輸入されていたが、ヨーロッパで流通している90%はポーランド産。
ポーランドでは「ボロヴィック・シュラネートニィ(ポーランド貴族達のポルチーニ)」と呼ばれているそう。
ポルチーニ一般は「ボロヴィック(針葉樹の森のキノコ)」と総称される。
ヤマドリタケはヨーロッパで広く珍重されるため、このきのこの採取は森の近くに住む田舎の人々にとって割の良い秋の現金収入減となっている。
( 確かにこの辺りでも採れたきのこをレストランなどに売って歩く人が結構いるようです。)
肉質は味にくせがなく、傘・柄とも繊維がしっかりしていて歯ごたえが良い。
生から調理しても美味しいが、乾燥されると独特の強い芳香をはなち、旨味も増す。
パスタソース、リゾットの具、ソテー、マリネ、オイル漬けなど様々なレシピに使える。
乾燥品を水でもどすと黄褐色の出汁が出るのでこれも料理に利用できるが、味が濃いので控えめに使うのが良い。
類似の毒キノコには、ドクヤマドリ ( Boletus venenatus ) がある。
美味であると言われるが、下痢嘔吐などの激しい胃腸障害が長時間にわたって続き、場合によっては脱水症状などで生命の危険に陥る可能性も考えられるので要注意。
・ 軸は網目がなく、大根のようにすべすべして所々にさび色のしみがある。
・ 肉は薄く黄色を帯びており、空気に触れると弱い青変性がある。
・ かさは黄土色から黄金色のビロード状で湿っても粘らない。
・ 管孔は鮮やかな濃黄色から黄褐色。
本種は亜高山性針葉樹林性と言われる(富士山に特に多いという)が、本種と思われるキノコを広葉樹林で見かけたという情報もある。
また、有毒ではないけれども外観がヤマドリタケと似ているのがニガイグチ。
ヤマドリタケと間違えてこれを採取し、調理した料理を食べる段になって落胆する人も多い(強烈な苦味があり、加熱調理してもこの苦味は消えない)。
ニガイグチではかさの裏面に発達する管孔層がピンク色を帯びており(ヤマドリタケでは淡黄色ないし帯オリーブ褐色を呈する)、柄はヤマドリタケのそれと比べて褐色が強い。また好んで発生する環境も異なっている。
ニセイロガワリ ( Bolet badius )
傘: 4~15㎝
色は黄砂茶系(名前の由来となっている)或いは深い茶系。
表皮は湿気による粘り気があり、乾燥によりビロードを帯びる。
肉質は厚く、半球型で表面が盛り上っている物や平らな物がある。
先端は垂れ下がり、緩やかに曲がりくねっている。
軸: 高さ4~12㎝、直径1~4.2㎝。
比較的細い円形型で肉質は厚い。
黄色がかった茶褐色だが傘より明るい茶色。
表面は繊維質。
管孔(傘の裏側):白色或いは亜麻色、表皮の下は茶色。
空気に触れると弱い青変性があり、指で押すと青緑色になる。
匂いは弱いながらもフルーティーで味は柔らかい。
ヤマドリタケにつぐ非常に良い食用キノコの一つとされています。
6月~12月頃、クリやオーク、ブナの木などの針葉樹の下の酸性の土壌で良く育ち、溝の端や傾斜面で良く見かけられます。
収穫期は夏から秋の終わりまで。
この辺りで良く採れるのはこの「ニセイロガワリ」。
軸の太さ、傘の湿り気などで大体は判断出来ますが、傘の裏側のスポンジを取り払い、指で押して青緑色になればほぼ間違えなし。
どうしても不安な時はやはり薬局に持ち込んでみるのが一番です。
この日は若干のニセイロガワリとジロルを収穫することができましたが、、、
またしてもこんなきのこを発見。
前回のそれよりもさらにビック(人の上半身くらい)。
そのうち何と言うキノコなのか調べてみるつもりなのですけれども。
Shimatani (水曜日, 16 9月 2020 16:48)
初めまして。日本からです。
ニセイロガワリを検索していたら辿り着きました。
ニセではなく、本家のイロガワリないのでしょうか?
余談ですが、オレンジ色のビックな茸は、マスタケだと思われます。
味は殆どなく、モサモサした食感なので、フライやアヒージョ、南蛮漬け等油を使った料理が合います。
フライにすると、何故かサーモンフライみたいになります。
saito (土曜日, 21 11月 2020 00:43)
私も、ニセイロガワリを検索していたらたどり着きました。
北米でも採れるそうですが、日本では見かけませんね。
一度食べてみたいです。その前に、実物を見てみたいですね。
日本では、育たないのでしょうか。