Le Marché de Noël クリスマス市

シャモニー郵便局前広場でクリスマス市がこの16日より開かれています。

 

クリスマス用のデコレーション、地元産のジャムやハチミツ、チョコレートにクッキー、ワインやビールといった嗜好品などを扱っている店の他にアクセサリー(手工芸)やまさにこの時期ならではの牡蠣やフォワグラの販売をしている店などが20ほど軒を並べ、町をさらに賑やかにさせてくれています。

 

ホットチョコレートの甘い香りや香辛料のきいたホットワインの匂いが、雪のない暖かな気候で今が「冬」であること自体忘れてしまいそうなこのシャモニーにもクリスマスが間近であることを思い出させてくれます。

今年が2年目のこのクリスマス市。

以前のホテルの一角で行われていたそれと比べると規模も大きくなり、中心地にあるので人目にも付きやすく、散歩する様な感覚で気軽に見て回れるので好評のようです。

 

市が(私の勤務するお店のオーナーがシャモニー市の商業振興部門を担当している)シャモニーを、「フランスのクリスマス=ストラスブールの市」と同様、数年後には「アルプスのクリスマス市といえばシャモニーのそれ」と成り得る様かなり力を入れているらしいです。

私の勤務する Aux Petits Gourmands ももちろんお店を出しています。

 

チョコレートにイタリア菓子パネトン(プレーン、乾燥フルーツ、チョコレート、マロン)、パン・デピス(ライムギ・蜂蜜などで作るアニス入りケーキ)、ジャムやチョコレートクリームなど(もちろん全て手作り)、本店や支店で見かける品をこちらでも見つけることができます。

 

担当しているのはこの市のみ、臨時雇いの女の子。

開催される数日前に、本店に来て色々勉強していました。

開催中は毎日朝から晩まで出勤で頑張ってくれています。

この市、週末にはかなりの人だかりが出来ていました。

クリスマス前の最後の週末。なかなかプレゼントのアイディアが浮かばない人には一つの場所にいながら色々と見て回れるので便利だったことと思います。

 

人の流れがこの市を中心にシャモニーで一番大きなスーパーマーケット方面に流れてしまっているのが(私の勤務するお店とは反対方向)、Aux Petits Gourmands のオーナーにとっては誤算だったかと思いますが。

 

そう、クリスマスヴァカンスに入ったというのに例年に比べ来店客が少ないのには同僚と共にびっくりしています。

「あれっ、いつもこんなに静かだったっけ!?」と。

クリスマス市でホットチョコレートやホットワインが飲める上、試食も出来たりするのでわざわざこちらまでお茶をしに来ようという人が減ってしまっているのも一つの理由では。

それ以上に雪不足でシャモニー行き自体をキャンセルしている人も少なからずいる事と思いますが。

ところで、前述の通りフランスのクリスマス市と言えばやはりストラスブールのそれに敵うものはないでしょう。

 

街の12か所(その内の一つがフランスで一番古く、1570年から行われているそうです)に合計で300もの店が軒を並べています(2015年11月27日~12月24日まで開催)。

多くの出店者にとってはこの市で年間の3分の1程の売り上げを上げる。

 

 

11月も末になるとかわいい木組みの家々の中にひと際目立つツリーが出現。

12か所といってもほぼ徒歩で移動できるほどのエリアの中にクリスマス雑貨や飾りつけグッズ、地元特産品などのお店が色とりどりに並び、その美しさには一見の価値があり、フランスはもとより、世界各国から数多くのツアーが出ています。

 

そしてこちらは2008年から始められた、パリはシャンゼリゼ通りのそれ。

 

イベント用の小屋をレンタル・販売しているとあるオーナーが、パリ市の許可を取らずに始めたそうで、当初は市や警察から睨まれ、多大な罰金も払っていたようなのですが今ではパリの冬の光景の一つとして定着しています。

 

 

これだけ多くの観光客(昨年のヴィジターは1,500,000人/7週間)を集めるようになり多大な経済効果も生み出しているので、今では市は大歓迎。主催者が今では町に(確か)700,000€を払って許可を得ているとか、、、。歓迎されるのは当たり前ですね。

 

しかし、この市に関しては賛否両論が今でもあるようです。

というのもここで売られているほとんどの品が地元特産品を多く取り扱い、地元の商店が多く参加するストラスブールを含めたその他各地のクリスマス市と違い外国産がほとんどを占め、そして営業者の多くはフランス各地、世界各地からやって来た人達だからなのです。

帽子やおもちゃ、人形にアクセサリー、そしてエッフェル塔のキーホルダー、、、そういった物のほとんどが残念ながらアジアを中心とした外国産。

サヴォワ地方特産物とうたっていても入手先は全く違っていたり、と。
こちらでは「クリスマス精神」より「商売」がまず先という雰囲気が流れているようですね。

 

ちなみにこちらの市、先日テレビで特集を組んでいたのですが、小屋一軒を借りるのに25,000€/2か月はするそうです。

ただかなりの観光客を集め、彼らの目を楽しませているのは確か。

そしてそれだけを払ってももとを取れるどころか数か月分に値する売り上げをこの7週間であげられるのはやはりさすが「世界に知られるシャンゼリゼ」の力でしょうか。

 

11月に発生したパリのテロ事件で、警備は物凄く厳しくなったものの、今のところ心配した事件も起こらず、観光客、住人、全ての人を楽しませてくれているようです。