L'arrivée de la neige à nouveau 再び雪が降ってきました

待ちに待った雪が再びシャモニーにも落ちてきました。

天気予報では随分と前から一月上旬にある程度まとまった雪が降るとは言われていたのですが。誰もが疑心暗鬼。
しかし、本当に降ってきました。
フランスの天気予報も意外に信用できるのですね。ははは。

 

それにしても最後に降ったのは一体いつだったことか。
(調べてみたら、なんと12月7日以降でした)
11月に大雪が降った時には今冬は恵まれたシーズンになると皆疑ってかからなかったのですが、それっきり全く降らなくなってしまった上に気温も上昇。

まるで初春のような気候になり、スキー場はどこも土模様。


つい先週まではシャモニーで一番標高の高いグラン・モンテでも利用できるコースは2,3本のみ。クリスマス休暇でやってきたヴァカンス客はそれでも購入してしまったパスを無駄にしないが為に、わずかな、わずかな雪を求めて行列を作ってでも上って行っていたのですが、私の彼曰く、そこはまるで「日本の夏場のプールのようだ」ったと。

想像できるでしょうか。限られた狭い場所に、人がうじゃうじゃ。しかもそれはもう雪とは言えず、氷や土の上を滑るという状態。
この時期にやって来た人達には、私が謝ることではないのですが、本当に申し訳なかったです。

スキーが思うように出来ない時にはなにをするか。
町を散歩する、ショッピングをする、お茶をする。

というわけで、シャモニーの町は今まで見たことのないくらいの人だかり。
真っ黒い波が何重にも何重にも押し寄せてきました。

 

私の勤務するサロン・ド・テもシーズン中は待ちが出るのは当たり前なのですが、サロンの入り口から店の入り口(店に入るとまずパンや菓子、チョコレートを販売するコーナーがあります)まで凡そ20m程の列が常時できていました。
20年ほど勤務する古株の同僚もこんな行列は今まで見たことがない、と。そして「たかがサロン・ド・テにここまで行列を作ってまで入る!?」と呆れ顔。
朝から晩まで対応していたオーナーも最後には「もう駄目、30分早いけれどもサロンを閉めましょう!!」とついに根をあげてしまうほどの盛況、というより大混雑でした。

 

恐らく他のお店も似たような状況だったことと思います。

が、今回の降雪で(いまだ続いています)山の上の諸施設もようやく少しは賑やかになったことでしょう。

早速、朝早くからスキーに出かける人たちを数多く見かけたのですが。

 

この時期に注意しなければいけないのが雪崩。

しばらく続いた暖かな気候で溶けては氷り、溶けては氷りを繰り返していた上に積もった新雪。

まだしっかりと堆積していない上に、下は氷なのでなんらかの拍子に滑り落ちてしまう可能性は大。

 

 

他のサイトからの拝借ですが、以下『雪崩に関する知識』。

斜面に積もった雪は、

  • 重力により落下しようとする力
  • 地面との摩擦力
  • 雪粒同士の結合力

がつり合って支えられています。

 

大雪によって積雪の落下しようとする力が大きくなったり、人や動物が斜面を横切って雪粒同士の結合力を弱めてしまったりすることで、つり合いが崩れて雪崩が発生します。

日射や気温の上昇や降雨で雪が融けた時にも、雪粒同士の結合力や地面との摩擦力が弱くなることで雪崩が発生します。

 

【 表層雪崩 】雪粒同士の結合力が弱い層(弱層)が形成されると、弱層の上に積もった雪が滑り落ちる表層雪崩が発生しやすくなりますはっきりとした弱層が見られなくても、滑り落ちる面が積雪の中にある場合は表層雪崩に分類されます。短時間に大量の降雪があった場合にも、新しく積もった雪が崩れて、表層雪崩が発生しやすくなります。

 

【 全層雪崩 】融雪や降雨によって積雪と地面の間に水が入るなど、積雪と地面との間の摩擦力が弱まったときに、積雪が全て滑り落ちる全層雪崩が発生します。
樹林帯のなかに一部分だけ樹木の生えていない斜面があったら、そこは雪崩が頻繁に起こっていることが多いものなので注意する必要あり。

 

そしてやはり恐れていた事が起こってしまいました。

 

久しぶりに降雪のあった翌日、さらに続く悪天候の中をガイドもつけずにグラン・モンテはプティ・エギュイユ・ヴェール(写真)にアイスクライミングに出かけて行ったリトアニアの3人。

 

どの様な形で起こったのかは分かりませんが雪崩に巻き込まれて二人が亡くなってしまったとの事。

 

なんでも十分に経験のあるアルピニストだったそうですが、こちらではジュール・ブラン(真っ白な日という意味)という視界不良の中、堆積していない新雪にクライミングに出かけるという行為。

さらにこの日はガイド協会は天候、雪のコンディションからその危険性を考えて一人もガイドを出していなかったとか。

 

亡くなった方には失礼な言い方かもしれませんが、自業自得と言われないような行動をしたいものです。

この先標高2000m近くでは日によっては多くて50㎝の降雪も予報されています。

 

やはり雪国。雪があってこその生活ですね。皆の顔が輝き始めていますが、くれぐれもスキーに行く際には過信しないようにしたいものです。自然の力は人間には敵いませんから。

シャモニー出身でいつもFacebookに素敵な写真を載せていらっしゃる方がいます。
今回も雪の積もり始めた夜のシャモニーの様子が見事に撮れていたので以下に拝借させていただきました。

 

http://www.quentin-iglesis.com/