2016年2月5日に開催されたフリーライドワールドツアー・シャモニー大会では 人口2000名ほどの小さなオート・サヴォワ県の村 La Clusaz ラ・クルザ 出身の29歳、Loic Collomb-Patton がバックフリップを鮮やかに決め、その後も流れるように滑り降り、89.33/100 というスコアで見事に優勝を果たしました。
彼は昨年度のシャモニー大会でも優勝を飾った様ですね。
常に安定した成績を残しているので我らがシャモニーのチャンピオン第二の Aurélien Ducroz になってくれるのではないでしょうか。
現在総合2位。
La Clusaz は小さいながらも冬のスキー種目ではかなりの選手を出している村。
補助金(彼くらいのレベルで15000~20000€/年だそう)を含めたバックアップ体制が充実しているのもその要因の一つではないでしょうか。
その点シャモニーはアルペンやバイアスロンの選手には手厚い補助がなされているようですけれども、それ以外の競技には今一つ。フリーライドのチャンピオンでさえ 1000€/年くらいだとか、、、、。
そんな状況でも、地元シャモニー出身の Leo Slemett 22歳も今大会見事6位に入賞、総合では4位に着け頑張ってくれています。
今回は滑走斜面の雪のコンディションから予定していた Brévent は「 Pente d'hôtel 」(写真左)から Flégère の「 l'Aiguille Pourrie(2561m) 」(写真右)に変更。
心配されていた積雪量や天候も前日の降雪そして当日の晴天と最終的には恵まれた大会になったようです。
以下のビデオは Loic Collomb-Patton が優勝を決めた滑り。
スノーボード部門の注目株はシャモニー出身の Camille Armand 23歳。
今シャモニー大会では7位だったものの、前回アンドラの大会では見事に3位入賞。総合では現在4位に着けています。
前年、前々年度総合チャンピオンの Jonathan Charlet は2度の転倒(解説者までもが「どうして!?有り得ない!!」という様な転倒の仕方)もあり、今大会でも、総合でも最下位になってしまっています。
昨年度の優勝で引退も考えていた彼。恐らく地元、地元近くの大会にしか参加しないであろう今年度は残念ながら既に心ここにあらずといった感じ。
なんでも、大会主催者だけでなく競技者までもが「山を愛する者」というより、ショービジネス化されたこちらの言葉で言うところの「ブリン・ブリン」、所謂、高級・高級志向を見せびらかす様が強くなっているここ数年の傾向に(特にスノーボーダー)嫌気がさしてしまっているとのこと(本人弁)。
私たちの応援するChristopheの兄でありやはりJonathanの従兄でもあるZianは「やる気がないなら他の人に座を譲れ!!Christopheの様に自費で苦労しながら本大会に出場できるように懸命に努力している人に悪い気がしないのか!!」とかなり怒り心頭だったようですが。
そう、結局スノーボーダーに既に二人もシャモニー出身の選手がいた為、過去3位入賞の経験を持つChristopheでもワイルドカードでの出場権すら得ることが出来なかったのです。お兄さんの気持ちも良く分かりますね。
以下はスノーボード部門で優勝を決めた Sammy Luebke(アメリカ)の滑りと今大会の Best of。
街中にはこの様な特設会場も設けられていました。
スポンサーの一つでもあるAudiをデザインした氷の彫刻も出現。
そしてこちらは我らが応援するクリストフ・シャルレー。
シャモニーでの親大会と同日、Les Arcs レ・ザルクで行われたFQT( フリーライド・ワールドカリフィー/前ブログ参照 )で3位に入賞しポイントを獲得。
こちらカリフィーは一つ星から四つ星まで大会ごとにランク付けがされており、もちろん星の数が多くなるほど、優勝或いは入賞した時の獲得ポイントが多くなるのですが。
それそれの獲得ポイントのトップ3が加算された数字で年間の総合順位が付けられるようなシステムになっています。
WFT参加者と違い、彼らのほとんどは自費での遠征。
全ての大会には金額は違えども参加費を払う必要があるうえ、交通費、宿泊費等も発生してくるわけで、競技者は星の数、土地の利、ライバルの参加状況などを考えながらエントリー大会を選別します。
昨年度は総合3位に着けたものの一位のアメリカ、2位のドイツ出身の選手がそれぞれ本大会への出場資格を獲得( アメリカ大陸地区で一人、ヨーロッパ地区で一人 )、わずか490ポイントの差( ちなみに今回のレ・ザルクでの彼の獲得ポイントは1200 )でクリフトフはまたしても本大会出場を逃してしまったのです。
現在総合3位、そしてまたしてもヨーロッパ地区では総合2位の状態。
頑張れクリストフ!!
http://chrischarlet.com/
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