L'heure d'éte サマータイム

 

 

2016年3月27日の深夜2時。
フランスは ( 一部を除く他のヨーロッパ諸国も同様 ) サマータイムに変更されます。

 

深夜 2 時に時計の針を 1 時間進め、深夜 3 時にする。

つまり今晩は皆通常よりも 1 時間睡眠が少なくなってしまいます。

今はテレビのどのニュースでも必ず最後に 「 今晩は時計の針を1時間進めるのを忘れないように 」 と繰り返し促してくれますし、パソコンや携帯電話などでは自動的に時間を直してくれるシステムも入っていたりするので、忘れて困ってしまう人はほぼいないといって良いかと思いますが。

 

このサマー・ウィンタータイムの導入は、フランスでは 1973 -1974 年のオイルショック以降設置され、1998 年よりヨーロッパ各国 ( 一部を除く ) と共通の時間を取るようになっています。

つまりサマータイム導入日は 3 月の最終日曜日 、ウィンタータイム導入日は 10 月の最終日曜日  。
日照時間に合わせた生活をすることで出来るだけエネルギーの消費量を抑えることを目的としています。

 

これらが土曜日と日曜日の間の深夜に行われるのはなるべく生活に支障のない様にする為。

フランスは日曜日の就業は基本的には禁止されているので、学校も休みの週末に行った方が交通機関等も含めた混乱が少なくなるからなのでしょう。

 

なぜエネルギー消費の抑制になると考えられているかというと。
3 月末 のパリを例に挙げると、、、

冬時間のままだと日の出は 6 時、日の入りは 19 時 45 分。
それを夏時間にすると日の出は 7 時、日の入りは 20 時 45 分。
と朝、夕それぞれ 1 時間ずつのエネルギー使用量の削減になるのです。


また、一年で一番日照時間の長い日が冬時間のままだと日の出は 4 時 15 分、日の入りは 21 時 30 分になってしまいますが、それを夏時間にする事で日の出は 5 時 15 分、日の入りは 22 時 30 分まで延ばすことができます。

通常ほとんどの人が就寝している 5 時にはあまり明かりは問題にはなってきませんが、逆に 21 時 30 分から 22 時 30 分の間には明かりはほぼ必然。22 時 30 分まで日の光があるのであれば人工的な明かりは必要ないのです。

 

青 : 夏時間を実施している国・地域

 

橙 : 過去に夏時間を実施したが現在は行っていない国・地域

 

赤 : 夏時間を実施したことのない国・地域

 

 

そして夏時間を実施している国では以下の効果が得られると考えられているようです。

  • 明るい時間を有効に使えるので照明の節約になる。
  • 交通事故や犯罪発生率の低下。
  • 活動時間が増えることによる経済の活性化。
  • 午後の日照時間が増えることによる余暇の充実。

但し、もちろんこのシステムに反対する声もあり、その理由としては以下の通り。

  • 明るいうちに帰宅すると、暑い時間を家で過ごす時間が長くなることから冷房による電気の使用量が増え、照明の節約効果以上にエネルギー消費量が増える。それにより、かえって電気代も増えることになる。
    ( 但し、この理由は一般家庭では冷房機器の少ない欧米諸国にはあまり当てはまらないかと思いますが。 )
  • コンピューターを利用する各種システムを更新しなければならないなど、移行コストがかかる。
  • 時刻切り替え時に一時的に交通事故が増加するという報告もある。
  • 日本においては、個人の時間を削り労働時間 ( 残業 ) を増やす上、最悪サービス残業の温床になりかねないという指摘もある。

毎年この時期になると、サマータイム制を継続するかどうかあちらこちらで議論がなされるのですけれども。
私は継続に賛成ですが、皆さんはどう思われますか?

ちなみにこのサーマータイム、時間を進めるのか遅らせるのかフランス人でさえ良く分かっていない人が多いのですが。

 

サマータイムが始まる 4 月はフランス語で「 Avril 」 サマータイムが終了する 10 月は「 Octobre 」。

 

Avril の頭の文字 Av から 「 Avancer (フランス語で進めるという意味)= 1 時間進める 」

Octobre の最後の文字 Re から「 Récurer(フランス語で後退するという意味)= 1 時間遅らせる 」

  

と連想させると覚えやすいですよ。