Cosmojazz Festival Chamonix コスモジャズフェスティバル

 

 

 

 

 

もちろんシャモニー住人も町が一層華やぐこのイベントが大好き。なんと言ってもフランス人の好きな『無料』のコンサートであるのもその理由の一つでしょうけれども(笑)。
 
スイスのトリアン谷にある、世界最大の自転車ロードレースである「ツール・ド・フランス」の今年の通過地点にもなったフォックラ峠でのコンサートから始まり、近隣住民の強い要望に沿い、シャモニー谷をさらに下ったセルヴォーズの村にまで会場を広げた今年度。

 

 

日中には山頂での天然ステージコンサート、夕方16時以降はシャモニーの中心にある Parc Couttet クッテ公園でこれから期待される若いアーティスト達のコンサートが、そして夜(18時から22時)にはその横にある Maison des Artists  メゾン・デ・アーティスト ( アーティスト達の家 ) で、このフェスティバルの主催者でもあるアンドレ・マヌカンを筆頭としたジャズ界を代表するアーティスト達のコンサートが一週間に渡り開かれていました。

 

ヨーロッパで最も高い山モン・ブラン、それに続く4000m級の山々を目の前に、音楽を通じて大自然と人間との共存を図り、新たな冒険にも挑戦しようと始められたこのフェスティバル。
今では9日間で35000人もの聴衆を集めるシャモニーの人気行事の一つとなっています。 

自然を最大限に利用した会場造りに加え、アーティスト達もそれぞれの会場に見合った、会場から得られるインスピレーションをもとにした楽曲を選定。

 

「山頂での天然ステージコンサート」ももちろん全て無料。

とは言え、リフトは有料(下からハイキングも兼ね歩いて登ってくる強者も多いかと思いますが)。

但し、2日間以上の利用で最大50%引きになる前売り券をネット或いは現地のリフト乗り場にて販売していた様なので、こういったイベントの際には事前の情報は不可欠ですね。

 

野外コンサートは天候に左右されやすいのが玉に瑕。

昨年はかなり雨に悩まされたのですが、今年は最終日以外はプログラムの変更もなく、満足のいく結果となった様です。

7月23日(土)トリアン谷

AMINE & HAMZA TRIO

 

7月24日(日)エモッソンダム

JEREMY HABABOU TRIO
GOGO PENGUIN
JEANETTE BERGER

 

7月25日(月)ローリア

ELINA DUNI

 

7月27日(水)レ・ズッシュのプラリオン

BIONDINI-SCHAERER-KALIMA-NIGGLI

 

7月28日(木)グラン・モンテのロニオン

BLICK BASSY

 

7月29日(金)ブレバン

SYLVAIN RIFFLET

 

7月30日(土)ツールのシャラミオン

FLORIAN FAVRE TRIO
JULIA SARR

 

そしてフェスティバルの顔と言えばこの人、アンドレ・マニュカン。

 

1957年4月9日リヨン生まれのピアニスト。

近年では音楽評論家、そして2003年以降はテレビ番組「Nouvelle Star ヌーベル・スター」の審査員として知名度を上げた彼。

少年期よりアルプスの広大な景色に魅せられ、幾度となくこの地を訪れていたようですが、数年前に家族と共に移り住み、趣味であるスポーツをこの大自然の中で楽しみながら、本職である音楽の普及にも尽力して来ました。

 

 

その結果が2010年から続くこのコスモジャズフェスティバルのプロデュースとメゾン・ド・アーティスト(アーティスト達の家)の設立。

少ない予算?ながらも素晴らしいアーティスト達がこのフェスティバルに集まってくるのはもちろんこの大自然の魅力と彼の努力のおかげ。

 

有名になっても偉ぶらない人。

普段はどこにでもいそうなT-シャツ姿の普通のおじさん。

シャモニーのセンター近くに住んでいた時には度々私の勤務するサロン・ド・テにもコーヒーを飲みに来ていたのですけれども、いつもしっかりと目を見て「有難う」と言ってくれていたのを覚えています。

ところで前述の「 メゾン・ド・アーティスト 」ですが。

1926年に建造されたこの450㎡、5階建ての建物は今では音楽好きが集う場所としてシャモニーの人気スポットの一つとなっています。

 

150名を収容できるメインのジャズクラブは午後の17時から。

会員制でなく誰でも自由に入ることができます。

音楽を聴きながらのカフェやバー、軽いディナーなども提供される一方でゆったりと読書のできるスペースも設けられ、また室内外には写真や絵画、彫刻等も展示されています。

 

夏期は12時~1時まで、冬期は16時~1時まで利用できます。

 

そして何といっても音楽家たちの為の録音ステュディオ、それに伴い滞在する為の寝室(6つ)が設けられているというのがこの「メゾン」の特徴でしょうか。

音楽家達は3日~10日間の間、活動に見合った日数だけここに滞在し寝室はもとより、録音ステュディオを無料で利用することができるのです。

その代わり、滞在中は毎夜無料でコンサートを開くことが義務付けられいるのですけれども。

彼らにとっても自分たちの音楽を披露する格好の機会となるわけで、有り難いことこの上ないのではないでしょうか。

 

今年のフェスティバルには日本人の方も参加されたようです。

 

アンカーソングの 吉田 雅昭 さん。

 

『 MPC2500とキーボードを駆使し、オーディエンスの目の前でリアルタイムに楽曲を打ち込んでいくという独特のライブパフォーマンスを武器に、2004年9月より活動を開始。

Youtubeにアップされた数々のライブ映像が驚異的なアクセス数を記録するなど、その個性は国内外で大きな話題を呼んでいる。

2007年5月、初音源となる『The Storytelling EP』を発売。

ジャンルの垣根を超えた幅広い層からの支持を集め、異例のロングセールスを記録するも、 さらなる飛躍のために同年10月に活動の場をロンドンに移す。』

 

以下は今回のシャモニーでのコンサートの模様ではありませんが。

また来年はどんなアーティスト達がやって来てくれるのか、楽しみですね。