よく天候に泣かされるこの Fête des Guides 山岳ガイド祭。
昨年のブログでも書かせていただきましたが、それまでの安定した天候とは打って変わって、この日を境に雨(雷雨)が多くなるというのが暦上の通説。
その為、ここまで休むことなく働いてきたガイド達がようやく休息(雨の為ガイドの仕事少なくなる)の取れるようになるこの8月15日がお祭りの日に選ばれたとか。
と言う訳で「8月15日に雨が降る」というのは何も珍しいことではないのだそうです。
しかし、しかし、今年は数日前から晴天が続き、この週末の天気予報も100%の晴れ予報。
今日、14日も朝から窓の外には青空が広がっています。
ぜひとも時間のある方は足を運んでみて下さい。一見の価値はありますよ。
1820年に起こった歴史的に有名な山岳事故(11人のグループがグラン・ミュエで立ち往生し、5人が雪崩に巻き込まれ、うち3人が死亡)から登山客を守るためのプロのガイドやその組織、既定が必要だとされ、翌1821年7月24日にシャモニー山岳ガイド組合が創設されました。
シャモニー生まれの46人が正式なガイドとして活動を始めた創設年から95年後の今では総勢150人以上ものガイドやコンダクターが組合員として世界各国からの登山客の滞在に携わるようになっています。
創設から数十年は雇用はシャモニー出身者のみという条件があったよう。
また、親から子へ、さらにその子へと雇用が引き継がれ「外部者」はなかなか入りにくい状況であった上、シャモニー近辺のガイドの独占もするようになった組合の体質に批判が噴出するようになり、その後の体質改善もあり今では50%の組合員がシャモニー外の出身となっているようです。
元は狩猟や水晶取りを生活の糧にしていた人達。
それが、やはり同じ目的(狩猟や水晶取り)の為にこの地にやって来た観光客達を山へ案内する様になっていったのが「ガイド」の始まり。
シャモニーはそういったガイド達の顧客で賑わいを見せるようになり、今のような「観光大地」に発展していったのです。
町に多々なる恩恵を落とした彼らに休みを与えようと始まったのがこの山岳ガイド祭。
しかし、開催にはもう一つの理由があります。
今でさえ生命保険というものが存在しますが、そんな物がなかった当時。
ガイド就業中の怪我や死亡の際、家族への経済援助を目的をした救済公庫への資金集めの一環としてこのお祭りは大きな役目を果たしていたのです。
そのような訳で、今でも期間中の活動の全ての収益が組合公庫への収入となるのは変わりがありません。
15日にはシャモニーガイド組合による新しい組員の紹介や、彼らが選出した「最も良い顧客」に記念バッチを贈呈するという例年通りのセレモニーがシャモニー教会前で行われ、その後は山で亡くなった彼らの仲間達の為に墓地での慰霊の儀式も行われます。
組合員全員が当時の正装をしている姿はやはり目を弾きますね。
ガイド達は彼らの活動を知ってもらおうとこの週末には様々なイベントを用意しています。
2016年8月12日(金)Le lavancher ル・ラヴァンシェー
* 伝統的な窯で焼かれた丸形のパン(一週間保存可能)の販売(12時~)7€/個
* 子供の為のクライミング入門(無料)
* 17時~ 組合会長の言葉とアペリティフ
* 19時~ 田舎風ディナー 15€(要予約)
2016年8月13日(土) レ・ズッシュ シャヴァンヌクライミング場
* 14時~19時 ガイド組員引率の元、子供の為のイベント(無料)
: ハイキング、クライミング、オリエンテーション、チロリアン
* 18時30分~ レ・ズッシュ市長の言葉、アペリティフ、ガイド組員によるコーラス(アルプスホルン)
2016年8月14日(日) アルジャンティエール
* 9時~12時30分 子供の為のクライミング・チロリアン入門、大人の為の半日ハイキング(ガイド組員引率)
* シャモニー谷で採掘されたクリスタルや水晶の展示・販売
* 17時30分~ 伝統セレモニー
* 20時~ コンサート
2016年8月14日(日)シャモニー ガイヤンクライミング場
* 17時~19時30分 子供の為のアクロパーク、チロリアン、スラックライン入門、ハイラインのデモンストレーション等
* 18時~21時 天文学入門(プラネタリウム)
* 17時30分~18時 シャモニー高山岳警備隊によるヘリコプター救助のデモンストレーション
* 21時~21時30分 アルプスホルン演奏
* 21時30分~ 音楽と光の祭典、打ち上げ花火
入場料 大人15€ / 子供5€ / 5歳以下無料
チロリアン 大人2€ / 子供無料
2016年8月15日(月) 伝統的セレモニー 教会前広場からシャモニーセンターへ 10時~14時
「音と光の祭典」のイメージ。
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