シャモニーの夏の恒例行事となりつつある、今年で8回目を迎えた「 Course des Garçons de café ウェイター / ウェイトレス レース 」。
『 シャモニー谷のホテルやレストラン、バー等々に勤めるウェイター /
ウェイトレスがそれぞれの勤務先の名誉や個々のプロフェッショナリズムを賭けて競うレース !!! 』
と謳われていますが、大抵は「シーズン終了を祝うお祭りの一つ」
として参加しているだけかと。
但し、
1位 350€ / 2位 200€ / 3位 100€
といった賞金や、抽選でモンブランヘリコプター周遊が6名に、冬のスキーシーズンパスが1名に当たる等々のお楽しみもあり、こちらが目的で参加しているというのが実際のところかもしれませんね。
ウェイトレス部門が15時30分にスタート、彼女たちのゴールを待ってからウィター部門がスタート。
郵便局前広場をスタートし、シャモニーの中心街を廻ってくる2,2km程のコース。
トレーの上に置かれた水のたっぷり入ったコップ2つと栓の開いたビール瓶を、いかに中身をこぼさず(もちろんトレーから落とすことなく)ゴールまでいち早く持って帰ってこれるか、の勝負。
クラシックカーに先導され、額に汗をかきながら必死にトレーを運ぶ彼らの姿に、例年通り沿道からは大声援が上がっていました。
スタートからすぐに「上位を狙う」人達と「参加することに異議あり」という人達の間にはあっという間に距離が。
本来であれば通常のサービス時同様「早歩き」が限度で「走ることなく」トレーを運ばなければいけないのすが、やはり「賞金」がかかってくるとどうしても気持ちが抑えられず走り始めてしまうのは仕方のないことでしょうね。
特に男性陣のトップクラスは速いこと、速いこと。
その中に私の勤務するサロン・ド・テのシーズンワカー(学生なので夏の期間のみの仕事)の男の子の姿が。
スタート地点から200m程にあるサロンの前を彼が2位のポジションで通り過ぎて行った時には同僚と大いに盛り上がったものです。
最終的には3位に入ったとレース後報告をしに来てたのですけれど、なんとその後の抽選会でもスキーのシーズンパスを見事にゲットしたとか。
たった1時間弱で給料1カ月分近くを得てしまった彼(シャモニーのシーズンパスは高いのです)。
気を良くして9月にはまた違った町のレースに参加して来ようかな、などと言っていましたが、その気持ち良く分かります。
私もレースに参加したい気持ちは山々だったのですが、残念ながら勤務日にあたってしまい断念。
今年の女性の参加者は優勝者を除いてはあまり「速い」という印象を受けなかったので、なんとも残念な気持ちで一杯でした。
同僚、さらには私のパトロン(オーナー)も同じ印象を受けた様で、「kayokoが参加していなかったのは残念、きっと上位に入り込んだだろうに」、「来年はkayokoも参加しなくっちゃ。」と。
パトロンに至っては既に来年のこの日に休みをくれる約束までしてくれました。
というわけで、来年の出場はほぼ確定。
但し、皆の期待を裏切らないようしっかりと前もってトレーニングをしておかなければいけませんね。
一度経験はしていますが、「トレーを持ちながらの2,2kmを早歩き」って、実際にはかなりきついのですよね。しかも歳も歳ですし。ははは。
( 写真 3 は過去のレース )
ところで、シャモニーは前述の様に今年が8年目。
但し世界的に見ると、この「course des garçons」 の歴史は20世紀の初めからと、かなり古いようです。
確かではないのですがフランスのパリが起源( フランスの文化とも言えるパリのウェイター/ウェイトレスという仕事の認知度を高めようと企画されたとのこと。)という話。
レースのコンセプトは当時から変わらず、至ってシンプル。
ウェイター/ウェイトレス達は決められたコースを、トレーに置かれた物に触れることなく、出来るだけこぼさずに運ぶ。そして一早くゴールまでたどり着いた者が勝ち。
もちろん通常のサービス時と同じコンディションで、つまり走ることなく早歩きでというのも昔から変わることのない決まり事の一つ。
彼らのウェイター/ウェイトレスとしての資質( 速さ、そしてバランス感覚 )を試す格好の場として、どこの町でも参加者、観戦者共に楽しまれているようです。
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しえな (火曜日, 13 9月 2016 10:02)
楽しそうなレースですね。さすが観光の街! 来年まで鍛えまくって、ぜひ1位をGETして下さい!!!
kayoko (火曜日, 13 9月 2016 12:18)
山目当てで働いている人が多いからスポーツマン/スポーツウーマンが多いんだよね。
うーん、1位は厳しいと思うのだけれども、せめて3位以内には入りたいかな。